そもそも比べる機種ではありません。大きな枠組みでのカテゴリーは多分一緒かも知れませんが、やはり本来はクラスが違うカメラ。しかし、なぜこの2つを比較するのか?それは、モーションスタビライザーなるものを購入したので、それに合わせた持ち運び用ミラーレス機を探していて辿り着いた最後の2機種だからです。
最初はSONYのα7sが一番の候補。しかし、このカメラはさらに上位機種。レンズまで購入するならば完全にSONYへの移行を考えなければいけません。しかし、モーションスタビライザーの購入でこの問題は解決。正直、撮影した動画の色合いはCANONのほうが色鮮やかな印象です。早い話、きれいに見えます。
そこで、5D MARK Ⅲは普段持ち歩くには、少々、いや、かなり大変なので、かばんにスッと入るミラーレス機を検討している最中。最後に残ったのは、「CANON EOS M3」と「OM-D E-M5 Mark II」。
この二つの細かいところをもう一度検討して、最終的判断をしてみたいと思います。
CANON EOS M3とOM-D E-M5 Mark IIの違い
CANON EOS M3 | OM-D E-M5 Mark II | |
センサー | APS-C | マイクロフォーサーズ |
ISO感度 | 100~12800 | 100~25600 |
※手ぶれ補正 | レンズ内手ぶれ補正 | ボディー内手ぶれ補正 |
シャッター速度 | 1/4000~30秒 | 1/8000~60秒 |
フレームレート | 1080pは30pまで | 1080pは60pまで |
ストロボ | 内蔵 | なし |
動画記録形式 | MP4 | MOV |
ざっと気になるのは、このへんぐらい。写真も動画も細かい画質は、キチンと撮影すればどちらも素晴らしい性能なのであまり比較はしていません。腕次第ってことです。そこが一番の問題なんですが・・・。
腕がないと、いろいろ機材が欲しくなってしまう。素人の悲しい性です・・・。
センサー
センサーは大きさの違いですね。フルサイズ機が一番大きくていいのですが、その大きさの差は、高感度ノイズ性能や背景のぼかしの量に差がでます。ここはAPS-CのEOS M3に軍配。しかし、その差はわずかです。
ISO感度
常用感度はOM-D E-M5 Mark IIの勝ち。ただ普段使いで12800もあれば十分なので、25600まで必要な人はOM-D E-M5 Mark II。
ここでの注意点は、動画撮影時のISO感度。OM-D E-M5 Mark IIの方は写真と同じ設定ができるので、25600までOK。問題なのはEOS M3の方。FullHD撮影時はISO100~3200までの自動設定。手動設定は6400まで拡張ができますが、それでも6400まで。
これは結構微妙というか、経験上本当に使えるギリギリのライン。明るいレンズが必要になってきます。夜の撮影ならF2.8以下は欲しいところです。
結論としては使えないわけではないけれど、ギリギリなので余裕はない。
手ぶれ補正
今回のメインはここ。OM-D E-M5 Mark IIはここが凄すぎるのです。サンプルの映像を見ても、実際に使ってみても凄いです。ただその分、犠牲になっている部分もあります。いわゆるこんにゃく現象は多少なりとも残っています。他にも動画の画質としては少々精彩を欠いているようです。下の動画は米ギスモードレビューです。
実はEOS M3の方も動画撮影時には手ぶれ補正が効きます。但し条件があって、動画撮影時にも手ぶれ補正が効くレンズに限ります。CANONの手ぶれ補正技術「IMAGE STABILIZER」通称「IS」に、動画撮影時にも手ぶれ補正できる「ダイナミックIS」というのがあるのですが、これがEOS M用のレンズかレンズ固定式のコンデジにしかありません。
採用しているレンズは「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」と「EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM
」。この効果がどの程度なのか、実は謎です。ヨドバシカメラに来ているCANONの方に聞いても、実はあまりよくわかっていない。ホームページでもわかりません。比較動画も探すことが出来ません。
店員さん曰く、4段分の手ぶれ補正という説明のみ。それが動画撮影時にどの程度効果を発揮するかわかっていません。店員さんも困っていました。・・・・気になります。
シャッター速度
OM-D E-M5 Mark IIのほうが上下とも一段上です。サブ機としてではなくメインの使い方が出来るカメラですね。
フレームレート
OM-D E-M5 Mark IIの圧勝です。EOS M3はFHD(1080p)で30pまでしか撮れませんが、OM-D E-M5 Mark IIは60pまで対応しています。CANONの一眼レフでもFHD(1080p)で60pまで対応しているのは7D MARK Ⅱだけです。
ストロボ
ないよりはあったほうがいいですが。外付けでの対応でもあまり気になりません。必要な場面は結構ありますが、個人的にはどちらでもOK。
動画記録形式
今回の比較の基本は動画撮影。となると、記録形式も気になるわけですが、EOS M3はMP4で24Mbps(1080p)、OM-D E-M5 Mark IIはMOVで77Mbps(ALL-i 1080p)。EOS M3のMP4は画質にどのような影響があるのかが気になります。
サンプル動画を見る限りEOS M3も問題がないように見えます。どちらかというとEOS M3のほうがきれい?
EOS MOVIE: “Another Diary” with EOS M3 (CanonOfficial)
OM-D MOVIE – THE RUNNER SHOT WITH E-M5 Mark II(Japanese)
OM-D MOVIE – DAILY LIFE SHOT WITH E-M5 Mark II
ファイル形式だけで画質が決まるわけではないのですが、今回のこの対決ではEOS M3のMP4も十分つかえる範囲です。と言うか、全く問題ありません。新機種のEOS 8000Dも動画記録形式はMP4ですが、この辺の理由はまた調べてみたいです。
因みに、5D MARK Ⅲの場合は、MOV形式で、1920×1080(30p/25p/24p)/ IPB:約235MB/分、1920×1080(30p/25p/24p)/ ALL-I:約685MB/分です。
結論
どちらを買っても満足出来るというのはよく分かりましたが、レンズの互換性。動画の画質から判断して買うならEOS M3という結論に。実際触ってみると、慣れ親しんだCANONのせいなのか、EOS M3の方が使いやすかったというのもあります。ハイブリッドISの実力を見てみたいという好奇心も少々。
モーションスタビライザーの購入により、OM-D E-M5 Mark IIのような強力な手ぶれ補正は今のところ必要なくなり、冷静に判断した結果、自分が買うならEOS M3。