キャノンのデジタル一眼レフの機能の一つ「レンズ光学補正」。これが結構、いや、かなり凄い補正をかけてくれます。この「レンズ光学補正」で補正してくれるのは、CANON純正のEFマウント系レンズの「周辺光量補正」と「色収差補正」。と、最近まではこの二つだったのですが、最近の機種はこれに「歪曲収差補正」も補正してくれます。
補正の効果が特に出そうな古いレンズでテスト
新しいレンズは、元の性能がよくなっているのでその違いがわかりづらいので、10年以上も前のレンズ「EF20mm F2.8 USM」でテスト。
カメラは5D MARK Ⅲ。設定は違いがわかりやすいように絞り優先F2.8の開放。ISO感度はAUTO。
テスト結果 その差は歴然!「レンズ光学補正」はかけた方がいい!?
画像は圧縮なしの元画像です。クリック拡大で元画像のサイズでご覧になれます。
先ずはレンズ光学補正なし。周辺光量落ちが著しく激しいです。以下、すべての写真は開放値(F2.8)です。
こちらがレンズ光学補正あり。完全ではありませんが、周辺光量落ちが見事に改善されてます。空の青が少し飛んでいるので、全体的に露出が上がっている感じがします。
そこで、補正ありと。補正なしで露出のみ上げてみたものを比較。
周辺光量・色収差 補正なし
周辺光量・色収差 補正なし 露出+3
周辺光量に関しては、補正ありと補正なし露出+2がだいたい同じ感じですが、周辺光量に関してはやはり補正ありに軍配です。しかし、露出が全体的に上がっている感じなので、白飛びし易い状態になっているようです。
他のレンズでも当然ですが、同じような結果になります。空の青に関しては、補正アリにすると青が薄くなります。補正ありで使う時は露出調整をしたほうが良さそうです。
優秀なレンズで、開放を使わない状況では、補正が必要ない場合はそのままのほうが良い場合もあるかもしれません。ただ、開放値で使用した場合の周辺光量に関しては優秀だと思います。
色収差に関しては、ぱっと見はわかりません
撮影する設定や状況、被写体などで変わるのでなんとも言えませんが、色収差に関しては、明るさよりも像のズレなので、補正ありの方がいいかもしれません。軸上色収差は絞りこむことで解決することもできますが、倍率色収差は絞り込んでも解決できません。特に開放で使いたい時はなおさらかもしれません。
どれくらいの違いなのか、その補正が必要なのかは状況次第で使い分けても問題ないのかもしれません。
周辺光量・色収差 補正なし
周辺光量補正なし・色収差補正なあり
周辺光量補正あり・色収差補正なし
細かいところの違いは元画像を見比べてじっくり観察してみてください。
まとめ
結局のところ、どんなに便利な機能や優秀な機能でも、そのままONの状態で使用できるものはないということでしょうか。AUTOにしてまかせられる部分が多いと確かに楽ですが、写真というのは、最終的に人間の感覚しか判断できないのかもしれません。
思い通りの写真を撮るためには、この設定を色々と臨機応変にその場の状況に応じて使い分けることで差が生まれるのでしょうね。まずはどんな写真を撮りたいのかイメージできることが大事かもしれませんね。